日記から

日本の牡丹はロシアでは咲かない

昨年英語の辞書を紙から電子に変えたところ、なかに語学学習用のテキストとして「OXFORD BOOKWORMS」という読物群が収められていた。難易度で六段階に分けられており、いまようやくレベル3まで来た。 内容はアンネ・フランク、ガンジー、ジョン・F・ケネデ…

辛夷と桜

本を読むのにいちばん参考にしたのは丸谷才一氏の書評、および同氏とその書評グループの、はじめは「週刊朝日」、のち「毎日新聞」に載った書評群、次が「週刊文春」連載の「本を狙え!」をはじめとする坪内祐三氏の書評だった。残念ながら二0一二年に丸谷…

英語の勉強

拗ね者として聞こえた金龍通人という人がいて、自宅の戸口に「貧乏なり、乞食物貰ひ入る可からず」「文盲なり、詩人墨客来る可からず」の聨を懸けていたという。 薄田泣菫『茶話』の「玄関」というコラムにあった話だが、残念ながら通人がいつの時代のどうい…

大相撲初場所

元旦。おめでたい和歌を三首。 「春毎に松のみどりの数そひて千代の末葉のかぎりしられず」(志賀随翁) 「たらちねのちとせのよはひ末高くかはらぬやどにきますたのしさ」 「万代のとしにもあまる君がやどにとも引つれてあそぶ老鶴」 大田南畝『一話一言』…

真珠湾攻撃と俳句

十二月。それまで忘れていても月はじめになると歳時記を手にするのが長年のくせというか習慣になっている。 「路地ぬけてゆく人声や十二月」(鈴木真砂女) どうして十二月なのかと思わぬでもないが、ほかの月と違って音数が五音なので坐りがいいね。 「どぜ…

はじめての平泉

本ブログはほぼ月に一度日記の抄録をアップしていて、ことし四月三十日付の日記抄「『太田南畝全集』」のなかで、レオ・マッケリーについて以下のことを書いた。 この人の作品ではいまだに「明日は来たらず」と「人生は四十二から」をみる機会に恵まれないの…

坪内祐三を読む

D・M・ディヴァイン『運命の証人』(中村有希訳、創元推理文庫)を読んで故水野晴郎の「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」を思い出し、「いやぁ、ミステリーって本当にいいもんですね~」とひとりごちた。 友人から「眠れる虎」とあだ名された弁護士…

久しぶりの日本橋

十月になったので、若月紫蘭『東京年中行事』(明治四十四年刊)の十月の項を開いたところ「月始めより団子坂、国技館、花屋敷など、菊人形開園す」とあり、運動会、ボートレース、修学旅行などに触れたあとに「初旬より中旬にかけ一週間図書せり市立つ」と…

故郷も故旧も遠くにありて・・・

オンシアター自由劇場による映画「上海バンスキング」がネットにあり、さっそく視聴させていただいた。この芝居と同時代にいられたことはわたしにとって人生の大きなしあわせのひとつである。公開された一九八八年か翌年に池袋の文芸坐地下でみているがソフ…

知らなくてよい、いきあたりばったりの話

文章を書くとき敬称をどうするかはけっこう悩ましい問題で、歴史的人物なら敬称は不要としても、この数年のあいだに故人となった方はどうすればよいか。昔から芸人とスポーツ選手は敬称なしが慣行とされているが、志ん朝師といったりもする。スポーツ選手が…

「カサブランカ」はじめての吹替版

七月一日。一回目のワクチンを接種した。あらかじめ配布された問診票の項目に、質問がある方はチェックをしておくようにとあったからチェックを入れたところ、接種をまえに医師が、質問があるんですね、というので、今晩は晩酌してよろしいでしょうかと訊く…

指ヶ谷町で

『荷風全集』を読みながら荷風ゆかりの地や小説の舞台となったところを散歩している。この試みは今回が二度目で、さいしょは一九九七年から九八年にかけてだった。それまでわたしはほとんどカメラに縁がなく、使い捨てカメラを買っては目的地へと向かってい…

新型パソコン学習記

とくに用事のない日の午後は喫茶店で座っていたのに昨年の緊急事態宣言を機に自室で音楽を聴きながら、自分で淹れた珈琲を飲むようになった。きょう聴いたジュディ・ガーランド「Afternoon Tunes」は「ダニーボーイ」や「君去りし後」などのスタンダードナン…

ワクチン接種一回目予約完了

「さつきの頃、家々にのぼりたつるをみて によきによきとたてる幟の子だからはげに家々の御珍宝かな」大田南畝。 五月はかくありたいものだが、いまはオリンピックパラリンピックと新型コロナ感染症が合体し「によきによき」と不気味に迫ってきている感じが…

永井荷風がマラソンについて語っていた!

四月十三日。東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の処分に関し、政府は海洋放出の方針を正式決定した。二年後をめどに、残留する放射性物質トリチウムは濃度が国の基準の40分の1未満になるよう薄めて放出に着手する。無知な文系人間は疑問に思う、ニュー…

『大田南畝全集』

東日本大震災直後の三月末を以て定年退職したから、この四月から十一年目の年金生活に入った。わたしは六十歳定年だったが、このかん六十五歳定年が普及し、今年度からは労働者が希望すれば七十歳まで働くことができる「高年齢者雇用安定法」の改正法が施行…

三ノ輪と雑司ヶ谷にて

昨秋古稀を迎えたのを機に『荷風全集』の再読にとりかかり、併せて荷風ゆかりの地や作品の舞台となった地を訪れている。 先日は三ノ輪の浄閑寺にある荷風の筆塚に詣で、傍にある花又花酔の川柳「生まれては苦界、死んでは浄閑寺」を刻し、吉原の女郎さんを祀…

『大日本帝国の興亡』を読みながら

リディア・ケイン、ネイト・ピーターセン『世にも危険な医療の世界史』(福井久美子訳文藝春秋)という本の書評に歴史家の磯田道史氏が「本当の医療の歴史は、試行錯誤と失敗の歴史であった。とんでもない『インチキ療法』が、とめどなく開発される。悲しい…

大寒から雨水へ

一月二十日。大寒。 「受験用写真の不思議な顔寒し」 今井聖のこの句で、先日実施された大学入学共通テストの受験票の写真はマスクなしだっただろう、しかし当日はマスクをしなければならなかったから本人確認はどうやっておこなったのかと首を傾げた。お節…

「コロナは来るな」「久松不在」

二0一九年のクリスマスストーリーとしてアガサ・クリスティ『ポアロのクリスマス』を読んだが、それでは収まらず、つづいて「クリスマス・プディングの冒険」を手にした。以前にも読んだことのあるウェルメイドな短篇小説で、「名探偵ポワロ」では「盗まれ…

ご近所で文学散歩

十一月二十日現在、大統領選挙でジョー・バイデン候補が勝利したにもかかわらずドナルド・トランプ氏は選挙で不正があったと主張して敗北を認めていないため政権移行は順調に進まず安全保障や新型コロナ対策などをめぐり支障が指摘されている。 仮にわたしが…

GO toトラベル下の日常

核兵器の保有などを全面的に禁じる「核兵器禁止条約」を批准した国と地域が五十に達し、国際条約として、二0二一年一月に発効することになった。他方、核保有国である米、英、仏、中、露のふだんはなかなか一致することのない五カ国は反対で足並みをそろえ…

発熱!

十年ぶりくらいかな、DVDで「フットライト・パレード」(一九三三年)をみた。監督は名作「四十二番街」とおなじロイド・ベーコン。 ギャング映画のスターだったジェームズ・キャグニーがボードビル時代に培ったダンスを提げて主演したミュージカルというの…

七十歳になった

小沼丹「木槿」に「何でもこんな寝苦しい暑い夜のことを、熱帯夜とか云ふのださうである。一體、いつからそんな名前が出来たのか知らない。聞いただけでうんざりする。昔はそんな呼名はなかつたと思ふ」とあった。「群像」昭和五十二年十月号に発表されてい…

すびきのせいびょう

八月九日。緊急事態宣言のあと二度目の10キロヴァーチャルレースを走った。 タイムは0:58:14、順位は282/778。 この時期、大汗かいたあとはやはりきつく、走ったあとシャワー、朝食、テレビ、そして昼食、ここまではまあまあよかったが、午後になると身体…

緊急事態宣言後の初レース

原作と映像(テレビドラマ、映画)の二方面でアガサ・クリスティ攻略作戦を展開している。なにしろ作品が多いので、読んでいると思っていたのがテレビドラマをみていただけだったり、この作品を読もうと決めたあとで既読とわかったりするからまずは整理をし…

ああ松茸!

雨の日午後。緊急事態宣言前であれば晴雨にかかわらず午後は喫茶店へ行こうか、映画にしようか、ともかく外に出ようとしていたのに、いまは自室で音楽を聞き本を読むなどしてステイホームをたのしんでいる。それに宣言が解除になったといっても高齢者には不…

三月ぶりの山手線

報道関係者と賭け麻雀をしていたとして東京高検の黒川弘務検事長が訓告処分を受けた。辞職願を提出しても受理せず、懲戒処分とし、そのあと退職させるだろうと思っていたので、訓告で済ませ退職願を受理したのには唖然とした。 公立高校に勤務していた身とし…

芳醇な味わいの芋焼酎

どこかの局の報道番組で、現時点で感染症対策が効果をあげている台湾と韓国を取り上げていた。素人の印象だが、両国とも対策にしっかりとした哲学があると思った。台湾の徹底した情報公開にもとづく社会運行(入国管理、ITによるマスクの供給など)、韓国の…

新しいライフスタイルの発見

外出自粛という籠居だが医療スタッフ、スーパー、コンビニ等生活必需品のお店の方々、物流従事者、清掃局の職員といった方々を思うとなにほどのこともない。それにジョギング、散歩が禁止されていないのはありがたい。先日、山中伸弥先生がYouTubeでジョギン…