2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小野小町のラブレター

和風書道の基礎を築いたと評され、藤原佐理、藤原行成とともに「三跡」と称される小野道風が書き写した『和漢朗詠集』を持っているという人がいたので、ある人が、藤原公任の編集した書物を、それより前の道風が書き写したというのは年代が違うでしょう、そ…

「 ブラッド・アンド・ゴールド 黄金の血戦場」~娯楽作に漂う奇妙な味

Netflix配信の娯楽作品です。題名からうかがわれるようにゲージュツに接する心がまえとか歴史の予習とかは一切不要のお気楽作品で、わたしはけっこうこの種の映画は好きなのですが、加えてシュールというか奇妙な味付けが気になってメモを取っておく気になり…

半世紀ぶりの神宮球場

運転免許証の更新通知が来たので自主返納し、運転経歴証明書を取得した。マイナンバーカードや旅券は持ち歩きたくないので、これからは更新なしのこの証明書がIDの保証となる。退職後すぐマイカーは処分したので、この十余年やむなく子供の車を借りたとき以…

「カサブランカ」のシナリオからから(四)〜《Why do you interfere with my little romances?》

ヨーロッパからフランス領モロッコのカサブランカに逃れて来た人たちの多くは、ここから中立国ポルトガルのリスボンを経て米国に向かおうとしています。けれど出国ビザの取得は簡単ではありません。フランス領といっても本国はナチスドイツの侵攻を受けてお…

「カサブランカ」のシナリオから(三)〜《Play it.》

思いがけないサムとの出会い。再会のあいさつを交わしたイルザはサムに「何か昔の曲を弾いて」とリクエストします。 ここでサムはベニー・グッドマンが大ヒットさせたスイング時代の名曲「アヴァロン」を弾きます。イルザはサムにリックの近況を訊ね、サムは…

「カサブランカ」のシナリオから(二)〜《A lot of water under the bridge.》

リックはイルザといっしょにパリからの脱出を決めました。ところがイルザはリックの前から姿を消しました。失意のリックは歌手でピアニストのサム(ドーリー・ウィルソン)とフランス領モロッコのカサブランカに逃れ、ここで酒場を開きました。そこへイルザ…