2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「カサブランカ」のシナリオから(一)〜《I never make plans that far ahead.》

英語の勉強の一環で映画「カサブランカ」のシナリオを読みました。テキストはアルク英語シネクラブ編集部編『カサブランカ』(アルク)です。監督はマイケル・カーティス、シナリオはジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・J・エプスタイン、ハワード・…

町で見つけた歴史遺産

ご近所の谷中を散歩していると写真の遺物があった。歴史遺産もしくは文化財としてよいであろう。しょっちゅう通っているところなのにいまごろ気がつくなんて迂闊な話である。 示されている町名は「上三崎南町」(かみさんさきみなみちょう)」、『日本歴史地…

『戦争と平和』を読む

南條竹則『酒と酒場の博物誌』(春陽堂書店)のなかに「『ラインガワ』の荒川さん」という一文がある。「ラインガワ」は著者が若い日、よく訪れた渋谷のワインバーで、四方田犬彦『先生と私』の由良君美もなじみの一人で、片手にパイプを持ちおいしそうにふ…

「ウィ、シェフ!」

職人気質と組織が相親しんだり、協調したりするのは難しい。「一輪咲いても花は花」の矜持を機械の歯車にしようとするようなものですから。 じつは、これ、もともとわたし好みのテーマで、しかもこの映画「ウィ、シェフ!」は職人気質を発揮するあまり一流レ…

群盲と象

『北斎漫画』を眺めていると第八篇に「群盲象を評す」の絵(漫画)があった。昔から知られていることわざだから、あって不思議はないけれど、こうして眼にするとことわざを絵にする発想が面白く「おやっ、ほほう」と感心した。 「六度集経」という仏教説話集…

向島で

自宅の根津から上野、浅草、そうして向島を散歩して永井荷風ゆかりのところを訪ねた。 この界隈へ来るとまずは長命寺にある成島柳北(1837-1884)の碑にごあいさつしなければならない。なにしろ荷風が尊敬してやまなかった人で、「隠居のこごと」には「成島…