2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ラグビー・ワールドカップとジョナ・ロムー氏の死去

九月に歌舞伎座へ来た折り、来月のプログラムは何かなと見たところ「文七元結」とあり、余計なことするのじゃなかったと思ったがもう遅い。慣れ親しんだ古典落語の舞台をパスするのは無理というもので、帰りがけ年金老人は財布を気にしながらチケットをゲッ…

スカーフ(モロッコの旅 其ノ三十四)

同行のみなさんがラバトでスカーフを買っていらした。なるほどモロッコらしくてしかも軽いからおみやげに最適だ。そこで付和雷同の老骨もさっそく何枚か買い求めた。なかにはすぐにガイドさんに巻き方を習って身に着けている方もいた。 本格的なターバンを買…

「エベレスト3D」

「さァさァ皆さん、二十世紀の大発明『活動代写真』はこれだ!居ながらにして西洋の風景や老人子供、きれいなハイカラさんの踊りなどが、動く写真となって、ソレあのようにこっちへ歩いてくる、ああ笑った、ころんだ。オヤ、今度は汽車が走ってくる、だんだ…

サハラ砂漠の朝(モロッコの旅 其ノ三十三)

サハラの夜明けを見ようと、砂漠をラクダで、そして徒歩で進む。もちろん道とてないからガイドさんが頼りだが、よくルートがわかるものだ。 スマートフォンやデジタルカメラに砂が入るといけないからと多くはビニール袋を持参していて、なかには防砂用具を持…

勇気のあり方

毎年八月十五日の前後には戦争関連の番組が放送される。敗戦から七十年のことしは例年よりも多くの放送があったはずだが、わたしは唯一NHK 「知られざる終戦工作」を視聴した。 採りあげられたのは終戦時、鈴木貫太郎総理大臣秘書官兼陸軍省軍務局御用掛を務…

織女と牽牛(モロッコの旅 其ノ三十二)

サハラ砂漠で天の川を見て感嘆久しくし、つぎに心に覚えたのは子供のときに見たときの星空の記憶であり、ノスタルジーだった。あまりに天空の光景に魅せられていたものだから、織女星と牽牛星の伝説に思い至ったのはだいぶんあとのことだった。 中国、日本そ…

「ミケランジェロ・プロジェクト」

第二次大戦中、ナチスドイツはヒトラーの命により、占領した国々の歴史的遺産である美術品を次々と奪い取った。若いころ画家を志し、絵葉書を売って生計を立てていた経験をもつヒトラーと芸術との関係は複雑で屈折したものがあったと思われる。 ナチスはヒト…

天の川(モロッコの旅 其ノ三十一)

砂漠のホテルに着いたのは夕刻近く、しばし散策したあと夕食を終えると外は暗くなっていた。それからはホテルの屋上に出て空を見上げる人もいれば、わたしたちのように砂漠に出て大きめのバスタオルを広げて寝ころび空を仰いだ者もいた。 おそらく部屋に居つ…

「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」

思いっきりネタバレの記事ですのでご留意ください。 レーガン政権下の一九八一年はアメリカ史上最も犯罪率が悪化した年だった。 この年、アベルは全財産をつぎ込んでニューヨークに会社を設立し、灯油販売のビジネスに参入した。 ところがそれを待っていたか…

サハラ砂漠へ(モロッコの旅 其ノ三十)

フェズからサハラ砂漠へ向かった。まずはバスで七時間かけてモロッコからチュニジアに東西に伸びるアトラス山脈を越え、砂漠の入口の街、エルフードへ。ここで4WDに乗り換えておよそ60km、一時間の行程でメルズーガの砂漠の中にあるホテルへ着いた。 「『佐…

「フレンチアルプスで起きたこと」

三十代の夫婦と子供たち(小学生の一男一女)が一家そろってスウェーデンからフレンチアルプスにスキー旅行にやって来て、豪華なリゾートホテルのスキー場に面したレストランのベランダで昼食をとっていたところ目の前で雪崩が発生した。 大きな雪崩を防ぐた…