2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寺門静軒 おぼえがき

寺門静軒『江戸繁盛記』は天保初年の江戸風俗、世態人情を漢文戯作の文体で活写した名著として知られる。「相撲」「戯場」(しばい)「千人会」(とみくじ)「楊花」(おんなだゆう)「混堂」(ゆや)などをユーモラスな漢文で綴ってベストセラーとなった。 …

「井戸の茶碗」と「寝床」によせて

ちょいとめでたいことがあったので、晩酌をしながらひさしぶりに古今亭志ん朝さんの「井戸の茶碗」を聴いた。ふと思いついて手許の電子辞書で「井戸の茶碗」を引いたところ、さほど期待してなかったのに「井戸茶碗」が「広辞苑」と「マイペディア」「日本史…

足取りも、心も軽く

最近Amazon musicの仕様が変わって、聞いてみたいアルバムをチョイスするとシャッフルで二、三曲は再生されるが、つぎにはおなじジャンルのおすすめ曲なるものが流れる。つまりアルバム順に一気通貫で鑑賞できない。まあ賛否あるだろうが、わたしには大きな…

「ドリーム・ホース」 〜ウェールズを讃え、人間を讃える

とてもよい気持にしてくれる映画です。素晴らしくて、観終わったときはユーロス・リン監督をはじめとするスタッフとトニ・コレット、ダミアン・ルイスなど役者陣に感謝の言葉を贈りたいほどでした。 ウェールズの谷あいにある小さなコミュニティで育てた競走…

『荷風と戦争』~『断腸亭日乗』にみた戦時の昭和史

二0二0年三月に刊行された『荷風と戦争』(国書出版会)の著者百足光生(ももたり みつお)氏は永井荷風の日記を「昭和史の資料」として読むとしたうえで、昭和十五年から昭和二十年三月九日の偏奇館焼亡にいたる間の記事を丹念に読み解き、貴重な註釈、解…

「春の序曲」

わが国ではじめて日本語字幕を付けて上映されたトーキー作品はマレーネ・ディートリッヒとゲーリー・クーパーが共演した「モロッコ」でした。一九三一年のことで、米国では前年一九三0年に公開されています。 一九三六年、主役の二人はふたたび「真珠の頸飾…

お年賀

あけましておめでとうございます 本年もよろしくお願い申し上げます 二0二三年一月一日 新型コロナのため長距離走はもっぱらヴァーチャル・レースだったのが、昨年はようやくリアルイベントに参加できるようになりました。三月の東京マラソンは高齢者への自…