2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

吉村昭『海も暮れきる』

丸谷才一『横しぐれ』は語り手が四国の松山市で種田山頭火(1882-1940)とおぼしい人物が本物それとも幻影だったのかを探ってゆく優れた中編小説で、一読のあとはおのずと山頭火が慕い、尊敬した尾崎放哉(1885-1926)のことが気になってくる。僧形に身をや…

英語のノートの余白に (14) 「しろうと」

ある受験参考書の例題に The man on the street has heard that this second Industrial revolution will refashion his life…… とあったので、街頭の人びとは、第二の産業革命は自分たちの生活を作り直すことになるだろうという話を聞いた……と訳して、解答…

「パスト ライブス/再会」

シャンソンに「再会」という名曲があり、ジャズに「ホワッツ・ニュー」というスタンダードナンバーがあります。 歌詞は似たようなもので、辞書に同工異曲の語釈として、詩文などを作る技量はおなじであるが、趣が異なることとありますから、まさしく絵に描い…

「アイアンクロー」

小学生のときのプロレスはいつもいつも金曜夜八時三菱電機提供のTVでしたが、二度だけ力道山のリングを見たことがあります。嬉しかったなあ。外人レスラーのトップはジェス・オルテガだったでしょうか。そのころすでにオルテガを凌駕する「鉄の爪」をもつ凄…

英語のノートの余白に(13) 文末の前置詞をもう一度

一九五五年にリリースされたアルバム「ヘレン・メリル ・ウイズ ・クリフォード・ブラウン」に収めるYou'd Be So Nice to Come Home To (作詞作曲コール・ポーター)はジャズヴォーカルの名唱と評価され、長らく「帰ってくれたらうれしいわ」や「帰ってくれ…

東京マラソン2024

三月三日。東京マラソン2024を走り、なんとかフィニッシュできた。 一月末に風邪をひいて腹具合が悪く、ようやくよくなったと思ったら次には喉にきて鼻水、咳が出るようになり、風邪が抜け切るのを待ってトレーニングを再開したものの肝心の距離を延ばす練習…