2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧
ラグビーワールドカップ日本大会は十一月二日、南アフリカ対イングランドの決勝戦で南アが勝利し、幕を閉じた。準決勝でイングランドがニュージーランドに勝利した試合は見事なものだったが、スクラムで南アとこれほど差があるとは思いもよらなかった。 二十…
ポンヌフを渡り、サン・ジェエルマン・デ・プレに向かう途中には数軒の古本屋が並んでいる。フランス文学者河盛好蔵先生の名エッセイ集『河岸の古本屋』のもたらすイメージもあり、セーヌ川沿いの古本屋はいかにもパリという気になる。 「自分は中学校で初め…
シテ島からポンヌフへ引き返し、クルーズ船に乗った。数年前にパリを散歩したときはモンマルトルに行った関係でクルージングは断念したから、今回ようやくセーヌ川の水上周遊となった。料金は大人ひとり十四ユーロ。渡された半券の裏には次回持参者は一ユー…
セーヌ川の中州シテ島は「パリ発祥の地」とされ、ノートルダム大聖堂のほかにパリ警視庁や最高裁判所、パリ市民病院などが建つ。並べるとお堅いイメージになるが、ご覧のように昔ながらの市も立っているし、川沿いをジョギングする人も多い。 島へ架橋する橋…
一八三一年に刊行されたヴィクトル・ユーゴー『ノートルダム・ド・パリ』はその後、何度か映画化され、ミュージカルとなり、バレエ作品をも生んだ。 わたしがノートルダム大聖堂を知ったのは「ノートルダムのせむし男」という映画だった。中学生のときテレビ…
エッフェル塔、凱旋門、ノートルダム大聖堂、いずれもパリの象徴的存在だが、2011年のはじめてのパリ旅行では残念ながら大聖堂を見残した。そこで今回はここを最優先とした次第で、比類のないゴシック建築の隣にはセーヌ川が流れていて、ようやくパリが誇る…
地下鉄ポンヌフ駅で降りて地上へ出ると、いつだったかニュースの映像でお目にかかった「カデナ ダムール」(愛の南京錠)を目の当りにした。 「カデナ ダムール」は恋人同士が永遠の愛を誓い、南京錠に二人の名前を書いて欄干の金網に取り付けて鍵をかけ、鍵…
いよいよパリ市内での終日自由行動だ。交通機関に不案内なのでいささか緊張を覚えながらまずはシテ島のノートルダム・ド・パリをめざした。ホテル近くの地下鉄の駅で一日乗車券を購入してポンヌフで降り、そこからセーヌ川に沿って歩いた。 たしかにこの道と…
ブリュッセルからパリへは二百九十キロメートル、バスで四時間半の行程だ。夕刻のパリを車窓観光したあとライトの灯るエッフェル塔で下車した。はじめてパリを観光したのが二0一一年だから四年ぶり二度目の「花の都」だ。この日は十月二十四日。翌日はあり…
コロマバラ園の並木道のほとりには小川が流れていて、地元の方とおぼしき方が釣り糸を垂らしていた。この光景を目にした瞬間、美術館に展示されてあるバルビゾン派の絵画が現実のものとなった気がした。 訪れたことはないけれどフォンテンブローの入口にある…
ほんとうに素敵な場所へ案内していただいた。心も身体も洗われる気がしたコロマバラ園だった。ノーマークどころか名前すら知らなかった場所だったから余計うれしかった。 季節外れに近い時期ながら花の魅力は十分感じられたうえ、門前にいたる「鈴懸の径」(…
おなじく堀口大學の訳詞集『月下の一群』に収める、ルミ・ド・グウルモン「あらしの薔薇」より。 白き薔薇(しょうび)は傷つきぬ 荒ぶ暴風雨(あらし)の手荒さに、 されども花の香はましぬ 暴風雨の手荒さには政治、軍事の要素も含まれているかもしれない…
堀口大學の訳詞集『月下の一群』にレエモン・ラジゲの「ばらの花」がある。 (出来るなら接吻してごらん) お前が接吻したとしても ばらの色は褪せはしないから 微風の手で打たれたので紅い頬をしてゐるのです そよ風に打たれた紅い頬は可憐なバラだ。いっぽ…
コロマバラ園はブリュッセルの郊外シント・ピータース・レーウという小さな町にある。添乗員の方の大のおすすめだけあって、なるほど素敵な空間だった。 バラの見ごろは六月下旬から七月下旬、秋バラが咲くのは八月下旬から九月上旬。わたしたちがここを訪れ…
ベルギー生まれの女性でまず思い出すのは一九二九年五月四日ブリュッセルのイクセルで誕生したオードリー・ヘプバーンだ。戦前はベルギー及びイングランド、オランダに在住経験があり、オランダではナチス占領下のアーネムに住んでいた。 男ではエルキュール…
ベルギーのビールはバラエティに富んでいて、銘柄数は千を超えているとか。この日のレストランでは白ワインで蒸したムール貝とホワイトビールを注文してみた。 Wikipediaにはホワイトビールについて「ベルギーの白ビールにはコリアンダーやビターオレンジピ…
わが故郷高知市のはりまや橋はがっかり観光名所といわれたりする。橋だけ見るとわからないでもないが、ここは安政の昔、竹林寺の僧純信と鋳掛屋の娘お馬との禁断の恋の舞台となったところで、そうした故事来歴を念頭において橋上に立っていただきたいもので…
グラン・プラスからつづく商店街ガリル・サンチュベールは一八四七年に完成したヨーロッパ最古のアーケードのひとつで、カフェや有名なチョコレート店、内外の高級ブランド店などがならぶ。ネオ・クラシック様式とネオ・イタリア様式からなる瀟洒な商店街と…
ブリュッセルの中心広場グラン・プラスは縦百十メートル、横六十八メートルの長方形の広場で、周囲を王の家(ブリュッセル市立博物館)や市庁舎、ギルドハウスなどいずれも見事な石造りの建物が囲んでいる。一九九八年にユネスコ世界遺産に登録された広場を…
一昨日十一月九日、東京都北区赤羽マラソン大会に参加した。毎年この時期は「新宿~青梅43㎞かちあるき大会」に参加していたが、大会そのものがフィニッシュしてしまったので、赤羽マラソンへのエントリーとなった。 フルマラソンはなく、最長はスリークォー…
アントワープをあとにしてブリュージュへ引き返し、そこからブリュッセルへ向かった。ブリュージュとブリュッセルのあいだは九十六キロメートル、バスで一時間二十分ほどの行程だ。 ブリュッセルはベルギーの首都、またEUの機関も多くある国際政治の重要都市…
小学五年生のお正月に吉永小百合主演「青い山脈」を観たあと、たまたま書店の棚に新潮文庫の石坂洋次郎『青い山脈』を見つけ、さっそく読んだ。心に吉永小百合の寺沢新子を思い浮かべながら。わたしが本を読むのが好きになったきっかけである。 ただしそれ以…
酒が好きだから甘いものはあまり口にしない。どうしてそうしなければいけなのかはよく分かっていないのに、健康上そうするものだといわれてなんとなく従っている。べつに苦手ではないから勧められると食べるが、自分から求めることはほとんどない。 しかしオ…
正面の建物は市庁舎とともにマルクト広場を囲むギルドハウス。町の繁栄と商工業者のギルドの力が示されているようだ。ヨーロッパでは旅行社の添乗員がガイドの行為をするのは禁じられていて、罰則規定も設けられている。また、日本のような企業別労働組合で…
聖母大聖堂から広がるマルクト広場にはギルドハウスや写真のアントワープ市庁舎が建つ。もちろん現役の市役所で、正面の旗が華やかな彩りを添える。 建立されたのは一五六一年から六五年にかけてだから、百年以上かけて建てた建築物がざらにあるなかでは短期…
若いときから絵心も、絵画を鑑賞する気持もさほどなかったわたしは大学受験の知識としてルーベンスの名前を記憶するだけだった。ただ「ルーベンスの偽画」という小説があるのを何かで知っていて、いまになって誰が書いたのか見てみると堀辰雄だった。この作…
アントワープのノートルダム寺院の祭壇正面には「キリスト昇架」や「キリスト降架」が飾られている。作者はバロック期を代表するルーベンス(1577-1640)で、その才能は一六00年から一六0八年にかけて滞在したイタリアでミケランジェロやラファエロたちの…
ブリュージュからアントワープへはバスで九十二キロ、およそ一時間二十分の行程だ。 土砂の堆積により港湾都市の機能が果たせなくなったブリュージュが衰退し、代わって重要性を増したのがアントワープだった。外国商館がブリュージュからアントワープへ移転…
運河を進むクルージングは愛の湖公園でUターンする。ここはブリュージュの内港だったところで昔は船が忙しく往き来していたそうだ。いまはロマンティックな名前と雰囲気の公園となっていて鴨やカモメ、白鳥などが生息する。 公園と隣接しているのがベギン(…
クルージング船から撮った聖母教会。ゴシック式の教会の高さは百二十二メートル、煉瓦造りの塔では世界有数のものだ。 ここはミケランジェロの聖母子像があることでもよく知られている。残念ながら時間の関係でクルージングか聖母子像の二択となってしまい、…