2021-01-01から1年間の記事一覧

新コロ漫筆〜余録

ことし二0二一年一月十八日に召集された通常国会では新型コロナ感染症対策とともに総務省の幹部職員と、利害関係者にあたる東北新社に勤める菅首相の長男たちとの会席が大きな問題となっていて、放送事業の許認可権を持つ総務省にたいし、東北新社側が接待…

「コロナは来るな」「久松不在」

二0一九年のクリスマスストーリーとしてアガサ・クリスティ『ポアロのクリスマス』を読んだが、それでは収まらず、つづいて「クリスマス・プディングの冒険」を手にした。以前にも読んだことのあるウェルメイドな短篇小説で、「名探偵ポワロ」では「盗まれ…

新コロ漫筆~「必ずやる」

新型コロナウイルスの第三波が猛威をふるうなか、七月二十三日から予定されている東京オリンピック・パラリンピックの開催をめぐる議論が熱を帯びてきた。世論調査では国民の八割以上が中止もしくは再延期の意向だから風当たりが強くなってきたといってよい…

新コロ漫筆~「お答えを差し控える」

先日のテレビのニュースの一場面、医療提供体制の不備を謝罪する菅首相に「そんな答弁だから言葉が伝わらないんですよ。そんなメッセージだから国民に危機感が伝わらないんですよ」と蓮舫参議院議員が語気を強めたのに対し首相は「少々失礼じゃないでしょう…

新コロ漫筆~会食

一月八日、政府は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を対象に緊急事態宣言を再発令した。 新型コロナ対策のまずさで各社世論調査での内閣支持率は急落していて、 再発令に追い込まれた感は否めない。菅首相はこんなはずはないと思っているかもしれないが、こ…

新コロ漫筆~感染症につけ入る隙

嫌いなものと問われてすぐに思い浮かぶのは健康診断で、在職中はやむなく法律で定める最低限の健診は受けたものの、胃検診や宿泊付きの詳しい検査には見向きもしなかった。症状がないのに胃にバリウムやカメラを入れられてはたまらない。 自覚症状がない限り…

新コロ漫筆~不要不急

在職中から隠居志向が強く、退職後は受忍できる貧乏であれば甘受して自由な時間を過ごしたいと願っていた。おかげさまで定年退職してからこれまでのおよそ十年を無職渡世一筋、安穏に過ごすことができた。 定年後再就職する人に較べるとわたしのようなタイプ…

マッカーシズムとトランピズム

一九五0年代のアメリカ合衆国はアメリカがいちばんアメリカらしかった時代だったとの見方がある。第二次世界大戦に勝利し、ヨーロッパ、アジアと異なり悲惨な戦場とはならず、戦後は政治、軍事、経済、文化いずれも世界トップの位置を占め、安定と繁栄がも…

ご近所で文学散歩

十一月二十日現在、大統領選挙でジョー・バイデン候補が勝利したにもかかわらずドナルド・トランプ氏は選挙で不正があったと主張して敗北を認めていないため政権移行は順調に進まず安全保障や新型コロナ対策などをめぐり支障が指摘されている。 仮にわたしが…

ジャズで彩る叙情精神~『スタン・ゲッツ 音楽に生きる』

ドナルド・L・マギン『スタン・ゲッツ 音楽に生きる』(村上春樹訳、新潮社)。B 5版五百七十頁余、しかも上下二段組で細かい活字がぴっしりと並んでいて、けっこうなボリュームにたじろぎながら読みはじめた。とことがどうだろう原書の魅力と村上春樹の翻訳…

「この世界に残されて」

映画が終わったとき、腰を上げたくない、上げられない、いま少しこの世界に残されていたい気持になりました。そのあと喫茶店で珈琲を前に、未熟でも何かひとこと寄せたい、けれどハンガリーの現代史を背景とする複雑な愛のありようを言葉でかたちとして表す…

お年賀

明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。 二0二一年一月一日 わたしの二0二0年は古稀を迎えたのと、緊急事態宣言に伴う自粛の年でした。旅と街歩きの好きな者には不安な自粛生活と思われましたが、いざ実践してみると意外に…