2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
春日太一著『仲代達矢が語る日本映画黄金時代』ははじめ二0一三年一月、PHP新書の一冊として、そして二0一七年九月、増補した「完全版」が二0一七年九月、文春文庫から刊行された。わたしが読んだのは後者で、本書で長きにわたって映画と舞台に出演してき…
劇場を出るとすぐ脚本を担当した加藤正人みずから書き下ろした小説『碁盤斬り 柳田格之進異聞 』(文春文庫 )を買い求めました。それくらい興味深く、おもしろい作品でした。 川島雄三監督「幕末太陽傳」が複数の古典落語を組み合わせてあったように、白石…
本作は第二次世界大戦下の上海を舞台にしたスパイ・ノワール作品です。ネタバレは避けたくて試みてみたのですがどうも上手くいきませんでしたのであらかじめお断りしておきます。 この時代、陰謀渦巻く上海でのスパイ劇となると国民党と共産党の特務機関、諜…
近代日本の男女、多くは婚姻外のかれらはどこでセックスをしていたか、そうしてその場所はいかなる意匠で彩られていたのか。井上章一『愛の空間』(角川選書)はこの問題についての実証的な研究で、いつもながら著者の問題意識の鋭さとユニークな議論には茫…
政治資金問題をめぐる不祥事で「離党勧告」の処分を受けた安倍派幹部の世耕弘成前参院幹事長が四月四日に離党届を提出し、その際、記者団の取材に応じ「明鏡止水の心境。一番重い処分を誠実に受けたい。冷静な気持ちで政治責任を取って事態を収束させたい」…
昨年二0二三年は小津安二郎監督の生誕百二十年、歿後六十年にあたっていて、そのためでしょうNHKBSで「東京物語」ほか数本の小津作品の放送がありました。なかに「お早よう」があり、久しぶりの出会いとなりました。 東京郊外の新興住宅地の一角を舞台に元…