サハラ砂漠の朝(モロッコの旅 其ノ三十三)


サハラの夜明けを見ようと、砂漠をラクダで、そして徒歩で進む。もちろん道とてないからガイドさんが頼りだが、よくルートがわかるものだ。
スマートフォンデジタルカメラに砂が入るといけないからと多くはビニール袋を持参していて、なかには防砂用具を持参している人もいる。わたしはといえば何にも持って来ておらず、親切な方がビニール袋を恵んでくれた。あらためて言うことでもないけれど注意力散漫にして気の利かない男である。
目的地まで四十分ほどかかっただろうか。砂漠の行進はけっこう体力を要しますね。きつい勾配のところではガイドさんに引っ張りあげてもらっていた方もいた。じつは今回のツアーで同行の方十五人のうち六十台はわたしだけで、見たところダントツの年長だった。あるいは体力を勘案してモロッコを避ける向きもあるのかもしれない。何はともあれ老骨に鞭打っての素敵なサハラの夜明けだった。