イコン(2016晩秋のバルカン 其ノ十一)


建設工事のつづく聖サヴァ教会には多くのイコンが描かれていた。イコンは画像や記号を意味するが、狭義では東方正教会で描かれる聖画をいう。東方正教会の主たる布教地は小アジアギリシアブルガリアセルビアルーマニア、ロシアなどである。
偶像崇拝を否定するイスラム教の影響を受けてイコンを否定する運動(イコノクラスム)はあったが九世紀には終結し、以後イコンによる表現は再び活発になった。どうしてイコンが用いられるのか。日本正教会のHPを参照してまとめてみた。
(1)教育的な目的での使用。
(2)イコンの中に映し出されているキリストやマリア、聖人たちの姿が信仰の心を育み、支えてくれる。イコンそのものは神ではないが、導きの契機となる。
(3)正教会にとってキリストは神が人間になった姿であり、イコンは信仰の強い証である。