ボスニア正教会(2016晩秋のバルカン 其ノ二十)


ボスニア・ヘルツェゴビナの首都はサラエボ。この国は連邦国家で、構成するひとつにセルビア人を主とするスルプスカ共和国がある。ふつうセルビア人共和国と呼ばれるが日本の外務省はセルビア共和国とまぎらわしいためスルプスカ共和国と表記している。この共和国ひとつとっても民族問題の難しさがわかる。
サラエボでは何世紀にもわたりイスラム教、正教会カトリックユダヤ教が共存してきた。写真はボスニア正教会、正式にはボスニアにあるセルビア正教会、信者はボスニアセルビア正教徒だからややこしい話である。
そのいっぽうで民族、宗教、政治が入り組んでいるゆえに多様性を認め、共存する考え方や技術が大事にされてきたのではないかと思う。旧ユーゴスラビアの紛争のイメージはいまなお強いけれど、多様性を認め合う共存のありようが模索されていると信じたい。