聖サヴァ教会のなか(2016晩秋のバルカン 其ノ十)


聖サヴァ教会のファサードは完成しているが内部はなお工事が続いている。建造がはじまったのは一九三五年だが、第二次大戦中はドイツ軍を中心とする枢軸軍に占領されて工事は中断した。戦後再開されたものの原資は信者の浄財で資金不足が常態となっており、これに九十年代の内戦激化が重なり内部の工事は完成していない。
ガイド氏の説明によるとイスタンブールアヤソフィアを念頭に置いて工事が進められており、なるほどそういわれるとイスタンブールの名所と感じが似ている。
アヤソフィアは十三世紀ラテン帝国支配下ではローマ・カトリック教の大聖堂として、また十五世紀半ばから二十世紀前半まではモスクに改築されて用いられたが、もともとは東ローマ帝国の正統派キリスト教の大聖堂でありビザンティン建築の最高傑作と評価されている。
工事が完成したあかつきにはぜひ「セルビアアヤソフィア」を訪れたいものだ。