聖サヴァ教会(2016晩秋のバルカン 其ノ九)


正教会ギリシア正教会、ロシア正教会というふうに一か国にひとつの教会組織をもつのを原則としている。国と教会組織は異なっても教義はおなじである。写真はセルビア正教会の中心聖サヴァ教会で、世界でも最大級の正教会の大聖堂だ。ちなみに日本正教会の中心は神田駿河台にあるニコライ堂(正式名は東京復活大聖堂)である。
聖サヴァ(1175年?-1235年)はセルビア教会の創立者。中世セルビア王国ステファン・ネマーニャの末子で、一二一九年コンスタンティノープル東方正教会総主教座から大主教に任命され、セルビアでの教化に努めた。聖サヴァといえばセルビアでは啓蒙と教育の代名詞となっているという。
ユーゴスラビア内戦におけるセルビアクロアチアとの対立は宗教面では正教とカトリックとの抗争となる。民族と宗教の入り組んだ複雑な地域である。