十份(2015初夏台湾 其ノ十二)


台北のホテルから一時間ほどバスに乗り十份へとやって来た。台湾新北市平渓区にあるこの地は昔の台湾のたたずまいを感じさせる山あいの町で、ガイドブックには「台湾のナイアガラ」の異名をもつ十份瀑布という有名な滝のある観光地とあるが時間の関係で滝へは行けなかった。
ただし、ここはもうひとつ天燈上げの地として知られていて、わたしたちはもっぱらこちらを体験した。十份駅の周辺、鉄道の線路に沿ってたくさんのお店があり、そこで天燈(ランタン)を買って墨で願い事を書き、気球とおなじ要領で空に上げる。
元宵観燈という言葉があるように天燈は元宵節と結びつく。中国では旧暦一月十五日の元宵節を終えると新しい年がはじまると意識されてきた。いまここ天燈の地では毎年元宵節を迎えると「平溪國際天燈節」が行われる。華やかでおめでたいランタンフェスティバルだ。