2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画「カサブランカ」の都市めぐり

食卓に大根サラダがあり、食後、曲亭馬琴編『俳諧歳時記栞草』を開くと、冬の季語として大根引(だいこひく)、これを「だいこ」と略して音読するようになったとあった。ちなみに大根が花を開くのは春の末、したがって大根の花は春の季語、種を蒔くのは旧暦…

サバサンド(土耳古の旅 其ノ四十七)

エジプシァン・バザールからすぐ近くのガラタ橋にもどり、ここでようやくNHKBS放送の「世界ふれあい紀行」で人気料理ナンバーワンだったサバサンドを食べた。 切りこみをいれたパンに、焼いたサバの切身を野菜といっしょに挟んだサンドイッチで、テーブルに…

STAP騒動について〜寺田寅彦を読みながら

過日、独立行政法人理化学研究所はSTAP細胞の有無を確かめるため進めてきた検証実験を打ち切ると発表し、STAP現象は再現できなかったと結論づけた。チームとは別に、小保方晴子研究員が行った実験でもSTAP細胞は作製できず、存在を確認できないままこの問題…

エジプシァン・バザール(土耳古の旅 其ノ四十六)

ボスフォラス海峡のクルージングを終えて近くのエジプシァン・バザールで買い物をした。香辛料の店が多いことで知られるが、雑貨や衣類などの品揃えもグランドバザールと変わらないようだ。小さいぶん親しみやすく、旅の最後ということもあってだいぶん買い…

「シェフ〜三ツ星フードトラック始めました〜」

カール(ジョン・ファブロー)はロサンゼルスの一流レストランのトップシェフだ。現状に甘んじるのではなく新作料理への意欲も強い。けれどオーナー(ダスティン・ホフマン)は人気の定番に固執して新メニューを許さない。 ある日、店に有名料理評論家がやっ…

ボスフォラス大橋を眺めながら(土耳古の旅 其ノ四十五)

もうだいぶん前に故人となられたが、尊敬する高校の先生にS先生という方がいらした。純朴誠実な人柄にして博覧強記、ひとたび話題が歴史学に及ぶと静かななかにも学問への情熱がほとばしるほど熱を帯びた。担当科目は世界史で、早稲田の文学部と修士課程でユ…

「アメリカン・スナイパー」

子供の頃から両親に可愛がられたその息子は父親に狩猟を教わった。父はまた、世の中には、羊と狼と番犬の三つのタイプの人間がいて、狼は羊を襲い、番犬は羊を助ける、誰かが番犬として生きなければいけないといった世界のイメージを叩き込んだ。だからかれ…

ガラタ橋(土耳古の旅 其ノ四十四)

クルージングの発着場所の近くにあるガラタ橋。金角湾に架かる長さ490mのこの橋がイスタンブールの新市街と旧市街を結ぶ。 現在の橋は1994年12月に開通していて、1845年に開通した初代の橋から数えて5代目となる。上層が車道、下層がレストラン街となってい…

「KANO1931海の向こうの甲子園」

1931年(昭和6年)甲子園の高校野球大会(当時は中等学校野球大会)に台湾代表として出場し準優勝を果たした嘉義農林学校野球部の実話をもとにした作品。 野球部員たちの表情がよい。戦前の中等学校生の雰囲気が漂っている感じがした。かねてより日本の若い…

スペインとポルトガル(西班牙と葡萄牙 其ノ一)

「スペイン&ポルトガル周遊9日間」というツアーに参加して両国を観光してきた。二つの国ともに訪れるのははじめての「走馬看花」の旅である。成田空港〜イスタンブール空港経由バルセロナ〜サラゴサ〜マドリード〜ラ・マンチャ〜グラナダ〜ミハス〜セビリア…