エジプシァン・バザール(土耳古の旅 其ノ四十六)

ボスフォラス海峡のクルージングを終えて近くのエジプシァン・バザールで買い物をした。香辛料の店が多いことで知られるが、雑貨や衣類などの品揃えもグランドバザールと変わらないようだ。小さいぶん親しみやすく、旅の最後ということもあってだいぶん買い込んだ。
歩いていると呼び込みの店員が中国語で「上海人か」と声をかけてきたので「いや、北京人だ」と答えて、すこし中国語を話したところ、相手はたちまち見抜いて「日本人でしょう」と言う。やはり発音がまずいんだと思うとはずかしくなり、笑いでごまかして「再見」と言って別れた。
1979年に二度目の中国旅行をしたとき北京でタクシーに乗ったところ、運転手さんから「香港の方ですか」と問われたことがあったが、いま中国語を口にしても香港人ではなく日本人と判断されるのだから発音はだいぶん退化している。