サバサンド(土耳古の旅 其ノ四十七)


エジプシァン・バザールからすぐ近くのガラタ橋にもどり、ここでようやくNHKBS放送の「世界ふれあい紀行」で人気料理ナンバーワンだったサバサンドを食べた。
切りこみをいれたパンに、焼いたサバの切身を野菜といっしょに挟んだサンドイッチで、テーブルには塩とレモン汁が置いてあり、わたしはレモンをたっぷりかけて食べた。
たいへんにシンプルな料理だし、素材にもこと欠かないから日本でも提供しているレストランもあるかもしれないが、この日、イスタンブールの海と空を眺めながら食べたサバサンドは風景や海の匂いとわかちがたく結びついている。
本家本元とはそれらを総合して成り立つはずで、あるいはそんなふうに思わせてくれるところが旅行のよいところなのかもしれない。
味覚には微妙な心理的な要素が含まれている。