あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます
二0二四年一月一日
退職して十余年、いちばん大きな変化はお酒がむやみに好きになったことで、これはまったく想定外の事態でした。暇と退屈と仲良くしているうち口腹のたのしみの度合が増したようです。
もちろん在職中も好きでしたが、それでも飲まない日を恨めしいとは思わなかった。ところがいまは焼酎やウィスキーのオン・ザ・ロックスのグラスを傾けない日はじっと堪えながら何かを見たり、読んだり、聴いたりして気を紛らわせ、それにつけても酒があればいいのにという気に陥っています。
いや、酒はあるけれど毎日飲む勇気がない。それにマラソンを走るのにもよくなくて、ランニングクラブのコーチは、レースの前はできればひと月、最低でも一週間は酒を断ち、アルコールを分解する体内の力を走る力に転換せよとおっしゃっていました。
ときにお酒代わりに酒にまつわる本を読んで慰めとしています。写真の『酔っぱらい読本』は七巻もあり、全巻を読み終えるとはじめの巻はほとんど忘れているのでエンドレスのリサイクルが続けられます。高齢と記憶力の減退はわるいことばかりでなく年金生活者の本代の節約にひと役買ってくれています。
ここで小話をひとつ。
百歳を迎えたトムじいさんのところに新聞記者がきて「ところで、九十歳から百歳までの十年間というもの、あなたは毎日なにをし、なにを考えていました」とたずねたところ爺さんは答えた。「わしは、いつも酔っ払っていたから、なにをしたかおぼえちゃいない」
いずれ長距離を走れなくなったときには毎日飲む勇気が湧いてくるでしょう。これからの人生のたのしみで、そのときはぜひトムじいさんにあやかりたい。