ブリュッセルからパリへは二百九十キロメートル、バスで四時間半の行程だ。夕刻のパリを車窓観光したあとライトの灯るエッフェル塔で下車した。はじめてパリを観光したのが二０一一年だから四年ぶり二度目の「花の都」だ。この日は十月二十四日。翌日はありがたいことに終日自由行動だったので、朝から晩までパリ市内をほっつき歩いてたのしんだ。
パリでの同時多発テロが起こったのが十一月十三日。この日はすでにパリから帰国していたけれど、ツアーの選択によっては十一月十三日にわたしがパリを散策していたかもしれないと思うとテロへの怒りとともに恐怖感が迫ってきた。
十月二十四日にわたしが見たライトの灯るエッフェル塔は十一月十三日に閉鎖され、このときは犠牲者を追悼するためのライトアップも行わない措置が取られた。再開されたのは十六日、フランス国旗（トリコロール）の青・白・赤の三色を配したライトが灯され、自由・平等・友愛の国家の理念が塔に映された。
