「荒磯に波」(春の銚子で 其ノ五)

岩に荒波が打ちつけ、波しぶきのあいだを三角形のロゴマークが飛び出すーご承知、東映映画のオープニングで、「荒磯に波」が社内での正式名称とされている。撮影場所は犬吠埼で、案内してくださった地元のIさんは、写真の海岸附近で撮ったと聞いているとおっしゃっていた。
Wikipediaには一九五五年(昭和三十年)に公開された「血槍富士」ではじめてオープニングに登場し、五七年の「旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷」から毎回用いられるようになった、また、撮り直しもされていて現在使われているのは四代目の映像とある。
むかしの作品には波の音があったが、いま音は入っておらず、ネット上のマニアックな方の説明によると、音があるのはおなじ東映でも昭和三十年代の京都撮影所作品に限られ、四十年代には音は消えたそうだ。