『安部公房とわたし』


一九九三年に亡くなった安部公房が倒れたとき女優山口果林のところにいたことを当時スポーツ新聞は報じたが、一般紙や週刊誌は作家については書かないという暗黙の取り決めがあったために報道も検証もなくやがてタブー視されたと小谷野敦山口果林安部公房とわたし』の書評に書いていた。
作家が没したとき女性関係については書かないなどという記者クラブの闇カルテルがあった!いまも活きているのか?ふざけるなである。山口果林さん、偉い!「週刊朝日」の小谷野書評文には、安部公房山口果林との関係は安部作品のいくつかに投影されていて、今後研究の上では欠かせないとある。
わたしは安部公房の作品を読んだことはなく研究も関係ないが生来の品性(下劣と嗤わば嗤え)がこの種の話題をパスさせてくれない。白坂依志夫『不眠の森を駆け抜けて』には不意の出来事は房事のさいちゅう、事実とすれば作家には男冥利に尽きるというものだったとある。『安部公房とわたし』の記述はどうなっているのだろう。