2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『大田南畝全集』

東日本大震災直後の三月末を以て定年退職したから、この四月から十一年目の年金生活に入った。わたしは六十歳定年だったが、このかん六十五歳定年が普及し、今年度からは労働者が希望すれば七十歳まで働くことができる「高年齢者雇用安定法」の改正法が施行…

新コロ漫筆〜オリパラの夢

三代目桂三木助が得意とした噺のひとつに「三井の大黒」があった。 左甚五郎に大黒様を彫ってもらった三井家の使いが、「まえには阿波の雲慶先生に恵比寿様を彫っていただき、『商いは濡れ手であわのひとつかみ』という句をいただきました。つきましては先生…

三ノ輪と雑司ヶ谷にて

昨秋古稀を迎えたのを機に『荷風全集』の再読にとりかかり、併せて荷風ゆかりの地や作品の舞台となった地を訪れている。 先日は三ノ輪の浄閑寺にある荷風の筆塚に詣で、傍にある花又花酔の川柳「生まれては苦界、死んでは浄閑寺」を刻し、吉原の女郎さんを祀…

新コロ漫筆〜ワクチン異聞

欧米から遅れること二か月、日本でも二月から新型コロナワクチンの接種がはじまった。順番としてまず医師や看護師などの医療従事者、次に高齢者や基礎疾患を有する人、そうしてエッセンシャル・ワーカーと呼ばれる勤労者がつづく。いまこれを書いている四月…

「すばらしき世界」

現代の日本映画にたいするわたしの不満の最たるものは、感情の昂りとともに大声をあげ、どなり、わめく、そうしたシーンの多いことにあります。ある役者さんなど予告編でお会いするたびにどなりまくっている。その方を批判しているのではなく、感情の昂りを…

新コロ漫筆〜平平山人のこと

厚生労働省の職員が三月二十四日に銀座で二十三人が参加する大宴会を開いていたことが発覚した。三月二十一日に新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言は解除されたが政府は解除後も大人数での飲食や歓送迎会を控えることを国民に呼び掛けていて、その本丸の…