ルーベンスの像(2015オランダ、ベルギーそしてパリ 其ノ三十五)

アントワープノートルダム寺院の祭壇正面には「キリスト昇架」や「キリスト降架」が飾られている。作者はバロック期を代表するルーベンス(1577-1640)で、その才能は一六00年から一六0八年にかけて滞在したイタリアでミケランジェロラファエロたちの研究を通じて開花した。

社交性もあったこの画家はヴェネツィアの外交使節として寄贈する名画を携えてスペインへ向かうが、そのかん大雨により名画を濡らしてしまう。ところが自身でそれを修復し、その出来栄えにスペイン国王やイタリアの貴族から賛辞を受けたという。

バロックの時代は西欧の君主制国家全盛期でもある。ルーベンスは一六0九年スペイン領ネーデルラントの君主、オーストリア大公アルブレヒト七世と大公妃でスペイン王女のイサベルの宮廷画家に迎えられ、そのうえ外交官の役割もこなした。

ノートルダム大聖堂に面したグルン広場には一八四三年に製作されたルーベンスの像が建っている。

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