三峡清水厳祖師廟(2015初夏台湾 其ノ二十八)

三峡老街の入口付近にある三峡清水厳祖師廟。彫刻の美しい廟で「東方芸術の殿堂」「台湾彫刻の至宝」といった呼び名がある。欄干の透かし彫りをはじめ細密な彫刻が見事だ。といっても気どったふうはまったくなくて、地元の方と見える人たちが気軽に参詣していた。街に廟がよく似合っていて、雰囲気としては柴又の帝釈天様と似ている。これらの廟に較べると、ヨーロッパ諸都市のキリスト教会は親しみよりも威厳とか権威に重きを置いているようだ。

廟の近くには川が流れていて、なつかしさを感じさせる。赤い煉瓦の街、素敵な廟、川が流れる老街の三峡はたいへん味わい深いところだ。
一七六九年に創建された祖師廟だが、現在の廟は三代目。初代は地震、二代目は日本統治時代初期の焼き討ちで壊れた。日本軍による焼き討ちはどのような事情があったのだろう。