ムハンマド五世の霊廟(モロッコの旅 其ノ十四)

ロッコの伝統的建築技術、彫刻、ステンドグラス等々が美しく調和したムハンマド五世の霊廟。外観、内装ともに見応えがある。独立を勝ち取ったムハンマド五世は実質的には建国の父といってよいのだろう。没したのは一九六一年、そしてこの廟が完成したのは一九七三年だった。
廟内にはムハンマド五世とともに子息で後継のハッサン二世の棺も安置されている。国家モロッコとしての思いは理解できるのだが、棺をそのまま並べて置くのはよい趣味とは思えない。
北京では毛沢東主席のミイラにされた遺体が水晶の棺に安置されていて、毎日多くの人々が見学に訪れている。亡くなってもミイラにされたり、棺を見せられたりするのだから偉人もなかなかたいへんだ。