ワット・プラシーサンペット(2017夏タイ 其ノ四)


ワット・プラシーサンペットはアユタヤの王の遺骨を納めた三本の塔を含む仏教施設を指す。
アユタヤ王朝の創設は十四世紀半ばだから、歴史公園にある建造物の多くは比較的新しいものだが、十八世紀に滅亡した際の攻撃でいまは煉瓦のみを残すものが多い。そのなかにあってワット・プラシーサンペットは当時の状態がよく保存され、アユタヤ時代の建築がそのまま見られる貴重な遺跡となっている。この遺跡はタイについての知識の乏しいわたしがイメージするタイの建築そのものである。
よく知られているようにアユタヤには十四世紀半ばから十八世紀にかけて日本人街があり、千人を超える日本の商人に、日本人とタイ族の傭兵、タイ族やその家族を加えると江戸時代のはじめ寛永期の街の人口は八千人にのぼったとの考証がある。旧日本人街は記念公園となっており碑が建っているとガイドブックにあるが、残念ながら公園を訪れる時間はなかった。