自転車(2015オランダ、ベルギーそしてパリ 其ノ十四)

フォンデル公園を行く自転車。少々の雨はものともせず黄色の合羽を着けて走る。オランダの風物といえば風車、チューリップ、そして自転車。

この国では昔から自転車による移動が普及していて、第二次世界大戦が勃発した時期、夫とともにヨーロッパに滞在していた野上弥栄子は紀行文『欧米の旅』に、アムステルダムの運河沿いの並木、広い街路、煉瓦の四五階の建物はイギリス風であるが、あれほど重量感をもたらさないのは「一つはロンドンが黒っぽいのに、ここは煤気がなく、空も薄藍いろできらきらして明るいからであろう」とロンドンと比較したうえで、その空の下「五十万台の幾パーセントかの自転車が、ここにもぶっ突かりあうほど飛び廻っている」と書いている。

国土が小さく、平坦だから自転車は重要な交通手段であり、お金もあまりかからないから重宝されている。もちろん自転車道路は整備されており、子供たちには早い時期から自転車に慣れ親しむよう指導しているとのことだ。

f:id:nmh470530:20151022112908j:plain