わが故郷高知市のはりまや橋はがっかり観光名所といわれたりする。橋だけ見るとわからないでもないが、ここは安政の昔、竹林寺の僧純信と鋳掛屋の娘お馬との禁断の恋の舞台となったところで、そうした故事来歴を念頭において橋上に立っていただきたいものである。
グラン・プラスの近くにある小便小僧もシンガポールのマーライオンやコペンハーゲンの人魚姫の像とともにがっかり観光名所に数えられたりするが、小僧はそんなことにめげず、毎日観光客でにぎわう人気スポットを保っている。
由来の一説に反政府軍がブリュッセルを爆破しようとしかけた爆弾の導火線を小便で消して町を救った少年がいたという伝説がある。少年の名はジュリアンで、ジュリアン坊やが小便小僧の愛称だ。ブリュッセルの景観を救った小便小僧、あだやおろそかにしてはならない。