黄金神社 2015初夏台湾 其ノ十六)

金瓜石には日本統治時代の建物や遺跡が遺されている。黄金博物館もあり、そこを含めこの地域全体が博物館のようだ。下の建物もそのひとつだ。
金瓜石の小高い山の上には黄金神社の遺構がある。日本の敗戦とともに神社は廃され社殿は取り壊されたが、社殿の柱や鳥居はいまも残されている。鉱山を経営した日本鉱業株式会社が一九三三年(昭和八年)三月二日に建立し、冶金の守護神として大国主命金山彦命猿田彦命の三神が祀られていて毎年盛大な祭りが催されていたそうだ。

植民地時代の苦い過去としてとっくに跡形もなくなっていても仕方がないのにこうしてで残してくれているのはありがたい。しかも神社の由来やかつての姿を記した「金瓜石山神社」の石碑が台北縣長蘇貞昌の名で立石されている。日付は中華民国八十八年一月吉日とあり、一九九九年、平成十一年にあたる。