「一九四二金瓜石事件紀念岩誌」(2015初夏台湾 其ノ十五)


金瓜石地区には「一九四二金瓜石事件紀念岩誌」が建立されている。設置者は新北市瓜山国民小学校友会、日付は二0一四年六月十四日となっている。
一九三0年代以降中国への侵略そして太平洋戦争とつづくなか、日本は台湾人の抵抗を恐れ、開戦の翌年一九四二年「金瓜石事件」なるものをでっち上げ、金瓜石の人望厚い人たちを逮捕し、監禁さらには拷問を加え罪を認めるよう強制したとして、犠牲となった方々の名前が刻されており、いずれも瓜山国民小学校の校友、関係者である。日本が戦争に敗れ、国民政府の統治となってからも事件の調査は不十分であったために、校友会として関係機関とともに調査し、本石碑の建立に至ったといったことが述べられている。
なお金瓜石鉱山ではシンガポールで捕虜となった英国兵や台北刑務所で服役中の囚人も採掘作業に当たらせて増産を図っていた。