ムハンマド五世広場周辺(モロッコの旅 其ノ十一)


一九一二年モロッコはフェズ条約によりフランス保護国となり、また北部の一部はスペインの支配を受けた。民族運動が盛んになったのは一九三0年代で、はじめはモロッコ人の政治的地位の向上をめざすものだったが、やがて独立を志向するようになった。
独立を勝ち取ったのは一九五六年、このとき国王に即位したのがムハンマド五世だった。ムハンマド五世広場はそれを記念し、讃える場所で、周辺には市庁舎、裁判所、中央郵便局といった公的機関が立ち並び、また劇場、ホテル、レストラン、ショッピングセンターが集まる繁華街ともなっている。広場は新市街の中心であり、首都であればモロッコ霞が関と銀座を配した日比谷公園といったところだ。
ここから港に近い旧市街に向かうと、そこに映画に出てきたカフェを模したリックの店があった。