カッパドキアのカイマクルを見学した。二十世紀になって地下都市の存在が知られるようになり、いまもなお発掘がつづいている。まだ全貌は明らかになっていないが、百以上の地下都市があり、その建設も古くは青銅器時代にさかのぼるという。
主には初期キリスト教徒が隠れ場所として生活した壮大な地下都市で、内部には教会、学校、ワイナリー、食料貯蔵庫などが作られ約二万人が暮らしていたという。
地下都市までつくり信仰を守ろうとした精神的強靱さはすごいものだが、そうした人びとが集まってきたところがなぜカッパドキアだったのかはどうもよくわからない。キリスト教神学史上において四世紀のカッパドキアの神父たちはたいへん重要な役割をはたしている。
地下都市は東ローマ帝国の時代にも使われており、このときはイスラム教徒との対立の難を避けたのだった。