2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『大日本帝国の興亡』を読みながら

リディア・ケイン、ネイト・ピーターセン『世にも危険な医療の世界史』(福井久美子訳文藝春秋)という本の書評に歴史家の磯田道史氏が「本当の医療の歴史は、試行錯誤と失敗の歴史であった。とんでもない『インチキ療法』が、とめどなく開発される。悲しい…

新コロ漫筆~医者寒からず・・・

江戸時代の医学書の多くは漢文で書かれていたから、医師志望者は漢文の素養を高めるために四書五経など儒学の古典を学んでいて、医学と儒学は隣り合わせていた。 漢文の医学書といっても内容はすべて東洋医学ではなく、なかには漢訳された西洋の医学書が清国…

新コロ漫筆~動けば損

晩唐の詩人李商隠は引越しが大好きで、そのため貧乏を通したと聞く。官僚政治家だったが賄賂とかは取らなかったのだろう。 ことわざに「動けば損」という。男女の仲やマネーゲームにも適用されているがどちらともご縁のない老爺としてはズバリ転居、旅行を戒…

大寒から雨水へ

一月二十日。大寒。 「受験用写真の不思議な顔寒し」 今井聖のこの句で、先日実施された大学入学共通テストの受験票の写真はマスクなしだっただろう、しかし当日はマスクをしなければならなかったから本人確認はどうやっておこなったのかと首を傾げた。お節…

十年目の三一一に小沢信男氏を悼む

元禄十一年(一六九八年)八月、隅田川に長さ百十間(約二百メートル)の大橋が架けられ、永代橋と名付けられた。場所は深川の渡しがあったところでいまの橋よりも百メートルほど上流にあった。 「つく田島つくづく月をながむればかたぶく秋の長きよのはし」…

新コロ漫筆~「行蔵は我に存す」

反共タカ派のニクソン大統領はベトナム戦争に終止符を打ち、中国と国交を結び、消費税反対だった村山富市首相は税率引き上げを認め、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長森喜朗氏はわが国を神の国と讃える超のつく国威発揚論者だが二月三日の日…