サラエボ大聖堂(2016晩秋のバルカン 其ノ二十一)


パリのノートルダム大聖堂を小ぶりにした感じでよく似ている。帰国して調べてみると建築家のヨシップ・ヴァンツァシュがノートルダム大聖堂をモデルにゴシック・リヴァイヴァル建築様式を用いてデザインしたとあった。似ているわけだ。
一八八四年八月に建造がはじまり八九年八月に竣工したサラエボ大聖堂はボスニア・ヘルツェゴビナ最大のカトリック大聖堂で正式にはイエスの聖心を讃えて建てられたからイエスの聖心大聖堂という。聖心はイエスの人類愛を示している。
一九九二年から九五年まで続いたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を扱った映画では「ノー・マンズ・ランド」がよく知られているが、「無人地帯」のいっぽうでこの大聖堂も被害を受けた。さいわい全壊はまぬがれ、損害部分はいま修復されている。