「知りすぎていた男」(モロッコの旅 其ノ四十六)


アルフレッド・ヒッチコック監督「知りすぎていた男」の冒頭、パリでの医学会議を終えたベン・マッケンナ博士(ジェームズ・スチュアート)は妻のジョー(ドリス・デイ)と七歳になる一人息子ハンクとともにモロッコを訪れる。ここは彼のかつての従軍の地だった。家族はバスに乗ってカサブランカからマラケシュへ向かう。とちゅう長時間のバス旅行に退屈したハンクがはずみでアラブ女性のチャドルをとってしまい困った事態になるが、それを救ってくれたのがフランス人ルイ・ベルナールだった。だがマッケンナには怪しい陰を帯びた人物と思われてならない。
ドリス・デイの歌う「ケ・セラ・セラ」やロンドンのアルバートホールでの演奏会の場面など印象に残るところは多いが、モロッコに滞在するシーンもそのひとつだ。マラケシュと映画とくればわたしには「知りすぎていた男」だ。
ガイドさんは「ミッション:インポッシブル」の続篇がいまマラケシュで撮影されていると言っていた。(「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」にこのときのロケシーンがある)
映画の都としてのモロッコに乾杯だ!