ムーレイ・イスマイル廟の日時計(モロッコの旅 其ノ二十)


日時計は紀元前三千年に古代エジプトで使われていたそうだが、起源は古代バビロニアにさかのぼるという。古代ギリシア古代ローマで改良がくわえられて完成の域に達し、そのあとアラビアに伝わった。
写真はムーレイ・イスマイル廟の中庭にあった日時計で、これひとつ取ってもその来歴にはさまざまな民族が関わっている。日時計の時代に一秒を争うといった表現はあったのだろうか。ゆるやかな時の流れがいとおしい。
時は差し込む太陽の光の角度によって計られ、それが人々に告げられ生活の区分となる。イスラム世界では一日五回の礼拝があり昔はムアッジンという呼びかけ担当者がいた。ムアッジンが礼拝を告げることをアザーンと言って、モスクのミナレットの上からアザーンが行われていたが、現在はスピーカーが代行している。