トプカプ宮殿(土耳古の旅 其ノ三十七)

さいころ「トプカピ宮殿」とおぼえていたが、おそらく現地での発音が「トプカピ」よりも「トプカプ」に近いのだろう、いまは後者で呼ばれている。
十五世紀中頃から十九世紀中頃までオスマン帝国の君主が居住した宮殿は同時にオスマン帝国の行政の中心地でもあった。帝国の最高意思決定機関である御前会議はここの「ドームの間」と呼ばれる部屋で開かれていた。わたしは入場しなかったが後宮(ハレム)も遺されていて見学ができる。
ヨーロッパの宮殿と較べると規模は小さく、比較的小さな建物と部屋が連なり、多くの庭園と離れを持つ建造物群は遊牧民的な伝統に基づいた設計なのだそうだ。
規模はともかくイスタンブル旧市街のある半島の先端部分というこのうえなく素晴らしい場所にあって、三方をボスポラス海峡マルマラ海、金角湾に囲まれた丘に立地している。