「蜂蜜」(土耳古の旅 其ノ二十三)

佐藤忠男氏にトルコ映画の評論があったとおぼえているが、ご縁はないだろうと読み落とした。以前職場の同僚に「真珠の耳飾りの少女」のDVDを貸してあげたとき、お礼にと持ってきてくれたDVDがトルコ映画だったが、題名を忘れてしまっているくらいだから観たとは言い難い。それくらいトルコの映画に関心がなかった。
ようやく旅行前にイマジカBSで「卵」「ミルク」とともに三部作をなす一篇「蜜蜂」(2010年)というトルコ映画を観た。すばらしい作品だった。監督はセミフ・カプランオール。デビューからわずか五作で現代トルコ映画界を代表する映画作家となったというが、この映画はなるほどなと肯かせるに足る。
トルコの山奥の村。六歳の少年ユスフは養蜂家のお父さんが大好き。その父が、蜂蜜を取るための巣箱を設置すために遠くに出かけて行く。大好きな父の消息がわからなくなる・・・・・・。この映画を観ておみやげに蜂蜜をくわえた。