新コロ漫筆〜副反応について

七月一日に一回目のワクチン接種をした。二回目は二十二日に予定されている。

無事に終わった一回目だが、じつは副反応が気になって何回か腰が引け、当日はニュースで早くワクチンを接種できてよかったとよろこんでおられた方々とは対照的に不安な気持で接種会場へ向かった。感染と重症化のリスクを大きく下げるメリットは承知している。しかし、ワクチンのマイナス効果とおぼしい事例が、自分が漠然と考えていたよりもずっと多い。

新型コロナウイルスのワクチンについて、国立精神・神経医療研究センターなどのグループが大規模なアンケート調査を行ったところ「接種したくない」と回答した人が11%にのぼったそうだ。なかでは十五~三十九歳の方の割合が高く、73.9%が「副反応が心配だから」を理由にあげている。

これにたいし国立精神・神経医療研究センターの大久保亮室長は「特に若い世代では、SNSなどの根拠のない情報で接種しないと決めるケースがみられる。厚生労働省のホームページなどで正しい情報を確認して、改めて考えてほしい」と話している。その厚労省のホームページの「正しい情報」でも接種が開始された二月から六月十八日までに三百五十六人の方が亡くなっている。(七月二日時点では五百五十六人)

この数字をどう考えるか。

亡くなった方はワクチン接種の翌日から数日間に集中していて、接種が先行している六十五歳以上の高齢者が九割を占めている。ほんとうに因果関係はないのだろうか。わたしには怖い数字であり、痛みや発熱などの副反応は甘受するけれど死亡となると別である。交通事故に遭う比率と比較してとかいわれても慰めにはならない。感染しても重症化しない傾向の強い若い人たちのなかに 「副反応が心配だから」として接種を避ける割合が高いのも理解できる。わたしだって重症化しにくい年齢層であればあえてワクチン接種のリスクは取らなかったかもしれない。

たしかに厚労省がいうように「接種の後に生じた事象も、それだけでは因果関係があるかどうかが分からないことに注意が必要」だ。しかし因果関係が不明であっても接種してから数日のあいだに亡くなった方々の事例についてはもっともっと報道と説明があってしかるべきだ。しっかりした説明をせず、因果関係はないの一点張りでは不安は増す。人々が「SNSなどの根拠のない情報」も含めて情報を得ようとするのは根拠のある行動である。

じっさいNHK、民放を問わず、この問題を掘り下げた報道に接したことがなく、そこに政治的な意図を感じてしまうほどだ。たまたまわたしが知らないだけなのかもしれないけれど。

どこそこで大規模接種や職域接種がはじまったという報道も大切だが、副反応の問題を取り上げないことでかえって疑心暗鬼が生まれる。安倍内閣とおなじく菅内閣も情報公開には消極的だから猜疑心が募る。

ここまで書いてペンディングにしてあったところ七月五日に、前日の四日、高知県南国市で行われた新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、六十代の男性が接種を受けたあとに倒れ、病院に搬送されたがその後死亡が確認された、とのニュースがあった。これについてはさすがにNHKも全国紙も取り上げていて、ワクチン接種と死亡との因果関係は分かっていないが、県によると新型コロナのワクチン接種後に死亡した人は、県内でこれまでに四人いると報じている。

生まれ故郷の高知県で起きた事例は二回目の接種を控えている者に衝撃でないはずはない。南国市は当初「遺族が公表を望んでいない」として事実関係を明らかにしなかったが五日夕になって一転概要を公表したと毎日新聞にある。どういう経過で「一転」したかは不明だが、なかったことにされる可能性もあったのだろうか。

おなじ記事には、県民には不安も広がっており高齢の女性は「ワクチンを打つか迷っている。当局は包み隠さず情報を出すべきだ」と語ったとある。当然の話で、SNSなどの根拠のない情報で接種しないと決める傾向があるとかいった批判で済ませられる話ではない。

副反応の問題はなおざりにしてはならない。副反応をめぐる不安の根本には国がしっかりした見解を明らかにしないことが一因としてあるのではないか。死亡者を減らす方策が研究されているという話も聞かない。

高知県での事案について同県の健康対策課長は「ワクチンとの因果関係は不明。国からの報告を受けていないので詳細は知らない」と語っている。国は精査分析して県に報告するのであろうと思ういっぽうで国は県に知らしめず、寄らしめずとしたいのかもしれないといった不安も拭えない。