凱旋門上からの眺め(2015オランダ、ベルギーそしてパリ 其ノ六十三)

サン・ジェルマン・デ・プレからシャンゼリゼ通りへ出た。ルイ・ヴィトンは賑わい、向かい側のキャバレー、リドでは華やかなショー繰り広げられているが時間がなく、シャンゼリゼを散策したあとは凱旋門に上がった。

野上弥生子は『欧米の旅』に、凱旋門上からのパリの眺望はお上りさんの第一項と書いているが、わたしはまだこの第一項を済ませていなかったので、今回ようやく果たしたことになる。ただし野上弥生子は、ナポレオンが作らせたこのエトワール凱旋門を芸術的には高く評価していなくて、ハドリアヌスの門の下手な模倣であり、周囲の浮彫が拙く、お手本のローマに対してコロッセオがないのも物足りない、プラタナスの並木道が想像していたよりもずっと小さいと散々こき下ろしている。

そこまで言わなくてもと思うが「門の上からの眺望には、さすがにこの都だけの貫禄と均整があった」と述べているのには同感だ。

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