ギルドハウスとブラボーの像(2015オランダ、ベルギーそしてパリ 其ノ三十八)

正面の建物は市庁舎とともにマルクト広場を囲むギルドハウス。町の繁栄と商工業者のギルドの力が示されているようだ。ヨーロッパでは旅行社の添乗員がガイドの行為をするのは禁じられていて、罰則規定も設けられている。また、日本のような企業別労働組合ではなく職能別の労組が主流となっている。これらは職能別に編成されたギルドの影響であろう。

ギルドハウスの前に建つのは古代ローマ人シルヴィウス•ブラボーの銅像

その昔、この町の西方を流れるスヘルデ川はアンティゴーンという巨人が支配していて、通行する船乗りたちに高額の通行料を課していた。払えない船乗りに対して巨人は手を切り落として川に投げ込んでいた。これに一人で立ち向かったのがシルヴィウス•ブラボーで、巨人の手首を切って川に投げ込んだのだった。

アントワープは「アント(巨人)ウエルペン(手を投げる)」に由来する地名だったんですね。

余談ですがローマ人は、親指を負傷した男は武器をしっかり握れないものと考えて、兵役を免除し、また海戦に勝利すると敗れた敵兵の親指を切断させて戦う手段と船のオールをこぐ手段を奪ったそうです。アント(巨人)が相手の手を切り落として川に投げ込んだのも懲罰と戦意喪失のためのものだったでしょう。わが国のやくざが相手に指を詰めらせるのもまた。

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