聖母大聖堂から広がるマルクト広場にはギルドハウスや写真のアントワープ市庁舎が建つ。もちろん現役の市役所で、正面の旗が華やかな彩りを添える。
建立されたのは一五六一年から六五年にかけてだから、百年以上かけて建てた建築物がざらにあるなかでは短期間の工事だった。宗教施設ではないからそれほど時間をかけてはいられないといった事情もあったのではないかな。
建設にはイタリア人が参加していて、当時この地方では例のないイタリア&フランドル・ルネッサンス様式というのだそうで、左右対称の均衡美が見事そして壮麗かつ堂々とした雰囲気が漂う。
「フランダースの犬」では主人公ネロが応募した絵画コンクールの発表がここで行われていて、残念ながらネロは落選だった。