2019南イタリア紀行(その二)

一月十九日朝パレルモを発ちピアッツァ・アルメリーナの郊外にある、ローマ帝政時代の貴族の豪邸「カサーレの別荘」を見学。ほぼ全室の床をモザイク画が飾っていて、芸術的価値、資料的価値は高い。なかでいちばん目を引いたのはビキニ姿のお嬢さんたちでした。

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昼食のあとはカルタジローネを観光。市庁舎広場からサンタ・マリア・デル・モンテ教会にかけて一直線に延びた見事な階段、その蹴上がり部分には動物や植物をモチーフにしたデザインのマヨルカ焼きが組み込まれている。

百四十二の大階段を上がりきったところには大聖堂のある教会が建ち、町を一望できる素敵な眺めが待っている。頂上のすぐそばに映画の小型のポスターをあしらったおうちがありました。

この日はタオルミーナのホテルで泊。

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成田空港を出発して五日目。きょうはタオルミーナからシラクーサへ。

シラクーサは紀元前八世紀頃にギリシアの植民地として造られた古代都市で、考古学博物館といった趣がある。紀元前三世紀に着工された写真のギリシア劇場は一万五千人を収容できる。

シチリアの映画といえば「ゴッドファーザー」、街で見かけたゴッドファーザーTシャツをさっそく着ての観光でした。

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昼食後、タオルミーナに戻った。イオニア海が美しく、世界中の人々が憧れるリゾート地はまたギリシア劇場や歴史的建造物など見どころの多いところだ。

またゲーテが『イタリア紀行』に「あらゆる点から見て注目すべきこの地方が、徐ろに夕闇のなかに沈んで行くのを眺めて、限りなく美しいと感じた」と書いたように、ここの夕景はまことに美しく、同書にはまた「清澄な空の下、私たちが小さなバルコニーから美しい岸べを眺めおろして、薔薇の咲いているのを見、小夜鳴鳥の鳴くのを聞いたのは、忘れえぬ思い出である」とある。

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残念ながらナイチンゲールの鳴き声は聞けなかったわたしは街角のカフェでカプチーノとカノーリ(この店の銘菓だそう)でひとときを過ごし、ランタンの灯る旧市街を散策し、ゆっくりとした時間を過ごした。これにナイチンゲールがくわわるとなると贅沢すぎるというものだ。

下の広場の写真は「アマルコルド」や「ニュー・シネマ・パラダイス」の場所ではないけれど、既視感のあるノスタルジックな光景で、シチリア!といった思いがした。 

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