清冽(2016晩秋のバルカン 其ノ四十四)


ネット上のプリトヴィッツェ湖群国立公園口コミガイドのひとつに、当日は生憎の雨、気温は低く、歩道は滑り、道はぬかるんだ、絶景ハイキングルートはどこ!と書かれていた。この方には申しわけないけれど、天気のよい日に訪れることができてじつにありがたかった。
湖のほとりや滝のそばをあるいているうちに清冽という言葉が浮かんだ。国語辞典には「流れる(わき出る)水がきれいで、冷たい様子」とある。ついでながら和英辞典をみるとcool and clearとあった。シャレみたいな言い方になるが、語感としては漢語のほうがピッタシだな。
似た言葉に清浄や清澄があり、山頂の清浄な空気を吸う、高山の清澄な空気といったふうにいずれも空気を形容する際によく用いられる。漢語を多用するのは趣味のよいものではないけれど、あえて申せば、この日、湖群公園で清冽な水と清澄な空気を存分に味わい、楽しんだ。