シベニク(2016晩秋のバルカン 其ノ四十一)


アドリア海東岸に位置するシベニクは美しい港町だった。紺碧の海と赤褐色の家並みが素敵な港町はアドリア海東岸では最古の都市である。ダルマチア地方の中央に位置していて、クルカ川がアドリア海に流れ込んでいる。
ダルマチアの多くの町とおなじくヴェネツィア共和国に抵抗した歴史を持つ。一七九七年ヴェネツィア共和国が滅亡したあとはハプスブルク帝国が支配した。そのかん十五世紀末にはオスマン帝国がここを狙ったが占領、征服にはいたらなかった。こうした歴史がシベニクを要塞都市とした。
第一次世界大戦後はユーゴスラビア王国の一部となったが第二次世界大戦中にはイタリアファシスト政権とナチスにより占領され、戦後はユーゴスラビア社会主義連邦共和国の所領となり、一九九0年以後はクロアチア共和国に属している。