トロギール(2016晩秋のバルカン 其ノ三十九)


クロアチア南西部の港町トロギールは紀元前にギリシアの植民都市としてつくられたのがはじまりで、中世になって水路によって本土と切り離され、周囲に堅固な城壁が造営された結果モンゴルやオスマン帝国の侵入をまぬがれた。
そのため歴史的建造物の多くが健在で、歴史都市の名にふさわしくロマネスク、ゴシック、ルネサンスバロック様式などさまざまな時代の建物が保存されている。中心の広場の周りを十五世紀の回廊や九、十世紀の聖バルバラ教会、時計塔、市庁舎など多様な建築様式の建物が取り囲む。
写真は十三世紀に着工され、十七世紀まで建設が続いた聖ロブロ大聖堂の鐘楼からアドリア海を望んだところ。鐘楼は四十七メートル。ヴェネツィアふうのゴシック様式で、ヴェネツィアが支配した十五世紀から十六世紀にかけて建てられた。