コトル(2016晩秋のバルカン 其ノ三十二)


ドブロヴニクからおなじアドリア海沿岸のコトルへ。複雑な海岸線と険しい山々に囲まれた地形を利用した堅固な城塞都市として栄えたところだ。このモンテネグロに属する港町はアドリア海沿岸の入り組んだ湾のいちばん奥に位置している。
ここは十五世紀以降オスマン帝国が支配した時期を除くとほぼ四世紀にわたりヴェネツィア共和国アルバニア・ヴェネタの一部だったためにヴェネツイアの影響が色濃く残る。コトル港を囲む城壁はヴェネツィア共和国により築城されており、市内の建物にもヴェネツィアの影響が強い。
写真はコトルのランドマーク、聖トリプン教会。ローマ・カトリックの教会でコトルの守護聖人トリプンが祀られている。二度にわたる大地震で内部は修復されているが、外観の二つの塔以外は一一六六年の創建当時の姿をとどめている。