’93を忘れるな(2016晩秋のバルカン 其ノ二十四)


写真はボスニア・ヘルツェゴビナで五番目に大きな都市モスタルにある内戦の痕。
柴宜宏『図説バルカンの歴史』はユーゴ内戦を三つに区分して、第一を十日間戦争(九一年六月のスロベニア独立にともなう国境管理権をめぐるスロベニア共和国軍と連邦軍との衝突)、第二を九一年九月から九五年八月にかけてのクロアチア内戦(クロアチアの独立後、クロアチア共和国軍と、セルビア人勢力及びセルビア人の保護を掲げる連邦軍との戦い)、第三を九二年三月にはじまるボスニア内戦(ボスニア・ヘルツェゴビナの独立をめぐり独立をめざすムスリムクロアチア人とこれに反対するセルビア人勢力の戦い)とした。
第三のボスニア内戦では政治的解決が困難を極めたためNATO軍が九五年八月末から九月はじめにかけてセルビア人勢力に対する大規模な空爆を実施した。
「’93を忘れるな」の石碑は第三のボスニア内戦の反省のうえに立ったものだ。