セルビア空爆(2016晩秋のバルカン 其ノ十五)


NATOによるセルビア空爆は、セルビア人による民族浄化作戦により難民化したコソボアルバニア人を帰還させることを目的に一九九九年三月二十四日から六月十一日にかけて行われた。民族浄化とは複数の民族集団が共存する地域において、ある民族集団を強制的にその地域から排除しようとする政策をいう。
ナチスユダヤ人政策に重なるセルビア人の民族浄化に対しNATOが攻撃を加えたとする見方のいっぽうで、「多民族戦争の一方のみを加害者とし、他方をもっぱら犠牲者とし(中略)人権を大書して、いわゆる『人道的介入』を断行した。空から突然降って来る爆弾による酷薄な殺人がここに出現した」との意見もある。(岩田昌征『二0世紀崩壊とユーゴスラヴィア戦争』)
その当否を判断することはわたしにはできないけれどセルビア側が情報操作により実態以上に悪役を振られてしまった感はある。
写真はベオグラード要塞に近い公園。